カナダの高校の特徴や、費用、語学学校に通ってから高校に進学する場合の流れについてご紹介します。
カナダの高校の入学要件に英語力が含まれないため、英語ができなくても入学できます。ただ、授業は当然英語でおこなわれるので、不安があるなら英語力を身につけてから高校へ入学するのが無難です。
カナダ高校は、英語を学びたい日本の高校生に適した学習環境が魅力です。カナダの高校や語学学校は、生徒の英語力に応じたさまざまなカリキュラムを用意しています。いま英語力に自信がない方でも、自分にあったクラスを選ぶことで現地の高校生活に慣れることができます。
また、カナダの公立高校によって入学時期を選べる場合があります。カナダの高校の入学時期は、年に1回の「リニア制」と、年に約2回の「セメスター制」という2種類に分かれているのです。
カナダの高校への入学時には、基本的に英語力のチェックが行われません。そのため、所定の入学要件を満たしていれば、英語でのコミュニケーションに自信がなくても高校へ入学できるのが特徴です。
カナダでは高校入学後にESL(English as a Second Language)と呼ばれるプログラムを受講して英語力を高められます。ESLは、英語以外を母国語とする学生向けに、カリキュラムを修了するのに必要な英語力を身につけるために提供されるプログラムです。
具体的な授業内容は地域や学校によります。一般的には、必須科目の授業を受けるための英語の読み書き能力に加えて、ネイティブの学生や教員との自然なコミュニケーションやディスカッションできるために必要な英語力を身につけられる内容です。
現地の高校に入学するタイミングはセメスター制の場合、基本的に9月か2月のどちらかです。一般的に1学期を半年間として、9月~1月までと2月~8月までの2つの学期に分かれています。
現地のエージェントによると、9月入学であれば前年の10~11月ごろ、2月入学の場合は前年5月~8月ごろに願書を出すと、希望する学校へ入学しやすいとのこと。そのため、渡航予定日のおよそ1年前までには準備を始めておきましょう。
【一般的な流れ(公立高校への入学を想定)】
カナダの教育制度は国ではなく州の管轄です。各州には学区(地域)ごとに「教育委員会」と呼ばれる機関が設置されており、教育委員会が学区内の高校のカリキュラムや生徒の受け入れなどを統括しています。そのため、入学したい学校や学区を決めたら、教育委員会へ必要書類を提出しましょう。
提出書類は教育委員会にもよりますが、たとえば過去2年間にわたる成績を証明できる書類や、現在通っている学校の校長からの推薦状、英文に訳した戸籍謄本、母子手帳の予防接種欄のコピーなどが挙げられます。申請費用の支払いが必要になることもあります。
カナダの高校へ入学するには、英語以外の科目も含めた学校の成績が、過去2年間の成績の平均で5段階中3(カナダの成績でいうC相当)以上であることが一般的です。たとえば、日本の中学を卒業後すぐに渡航する場合は中学2年生と3年生の時の成績、高校2年生で渡航する場合は中学3年生と高校1年生の時の成績を提出することになります。
教育委員会に申請が受け入れられると、通学先の高校の連絡が来るので、授業料の支払いや学生ビザの申請などを進めましょう。学生ビザの申請は、カナダ政府の公式サイトからオンラインで手続きできます。
カナダの高校へ入学する方の約50%は新学期前に現地へ渡航して語学学校に通っています。この場合、語学学校と高校の両方で入学手続きをすることになるので、高校へ直接入学する場合と比べ、申し込みの流れが少し変わります。
【語学学校に通ってから高校に進学する場合】
まずは、高校に入学する時期と語学学校に通う期間・入学日を決めます。一般的に、語学学校の入学日は「毎週月曜日」に固定されているので、語学学校に入学可能な時期を事前に確認しておくのがいいでしょう。
進学先の高校と語学学校が決まったら、高校や語学学校の申し込み手続きを進めましょう。高校の申込書記入や手続きを代行してくれる語学学校もあるので、手続きに不安がある場合はそうしたサポート付きの学校を選ぶと良いでしょう。
カナダの語学学校が提供している、高校入学前の生徒に向けた学習プログラムをご紹介します。
たとえば、Sprott Shaw Language College(SSLC)は、高校の授業を理解するために必要な英語力を身につけることを目的とした「SSLC Youth Bridge Program」という中学生・高校生向けのプログラムを提供しています。1学期、1年程度の通学から卒業目的での通学まで、現地の高校に通いたい期間や目的に関わらず受講できるプログラムです。
SSLC Youth Bridge Programは、英語力の向上を目指す授業だけでなく、数学や理科、地理など、高校で学習するトピックも組み込まれているのが特徴です。履修科目の選択方法や授業の受け方などについて日本語でサポートを受けることもできます。入学後もサポートしてもらえるので、英語力に不安のある方、カナダでの生活における困り事を日本語で相談したいと考えている方などは利用してみてください。
SSLCを経由してカナダの高校に進学する場合の一般的なスケジュールとしては、4月~8月までの5か月間SSLCで学んで9月から高校に進学するパターンや、SSLCに7月~8月まで1か月程度通い9月から高校に進学するパターンなどがあります。SSLC Youth Bridge Program は1か月程度の短期でも履修できるので、SSLCでの学習期間は自分の希望や英語力などによって調整が可能です。
カナダの高校を卒業したあとの進路として「カナダの大学進学」を選ぶ方もいらっしゃいます。また、カナダの高校を卒業後に帰国して、日本の大学へ進学される方も多いです。
カナダの公立高校に3年間通う場合の費用の目安は約650万円~855万円です。私立高校へ通学する場合は年間約270万円~540万円程度の学費がかかることを見込んでおきましょう。私立校のなかには、寮での滞在費や制服代などが必要な学校があるためです。
正確な費用は、通学期間や学校の種類(公立校か私立校か)、為替レートになどによって変動します。
(以下の表はカナダドル=105円で計算)
航空券 | 約9~23万円(※1) |
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ビザ申請料 | 約3万円(※2) |
海外留学保険料(3年間) | 約60万円 |
学費(3年間) | 約315〜410万円(※3) |
滞在費(3年間) | 約265〜359万円(※4) |
合計 | 約652〜855万円 |
(※1)2022年8月調査時点の値段。渡航先や時期によって変動する。
(※2)ビザ申請料(150カナダドル)+バイオメトリクス申請料(85カナダドル)の合計。
(※3・4)参考:「文部科学省」
カナダでは、公立高校に通学する場合の滞在先はホームステイ、私立学校の場合は寮に滞在するのが一般的です。必要な費用は寮よりもホームステイの方が安い傾向があるため、費用をおさえたい場合は公立高校へ通うことを検討しましょう。
なお、ここで紹介した費用には、カナダの高校へ入学する場合の費用しか含まれていません。カナダの高校に入学する前に語学学校に通う場合は、語学学校の授業料やその期間の滞在費なども追加で必要になります。
高校へ入学する際に、条件によっては海外留学奨学金制度を利用できることがあります。
滞在期間および条件によって給付される金額が異なるため、高校入学手続き前に情報を集めておきましょう。
独立行政法人日本学生支援機構が提供している「海外留学奨学金検索サイト」では課程別に奨学金制度を検索できます。最新の情報は奨学金の実施団体に問い合わせてください。
カナダの高校を進級・卒業するには、基本的に現地の生徒と同じ高校課程で必要な単位を取得しなければなりません。そのため英語を理解できないと、学習が難しく、単位を取るのに苦労するかもしれません。
エージェントや語学学校を通じて入学しても、進級や卒業に関する責任は取ってもらえません。渡航後に現地でサポートを受けられるケースもありますが、受けられるサポートは現地での生活に関わることのみです。
そのため高校やホームステイ先で、積極性に現地で友だちを作ったり先生に質問をしたりして、学習内容を理解するようにしましょう。
また高校では、受け身にならず主体的に学ぶ姿勢を大切にしましょう。
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