カナダ留学について情報集めをしていると、「カナダ英語は訛りが少なくきれい」といった情報を目にしますよね。カナダ英語の特徴について、深堀して解説します。アメリカ英語やイギリス英語・オーストラリア英語との違いも紹介します。
世界で一番使われている言語が英語。一言に英語と言っても、「アメリカ英語」や「イギリス英語」などといったワードを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。英語には、使われている国や地域によって特徴があります。
英語が種類分けされている理由に、各国の歴史的背景や環境があげられます。日本の方言のように、国によっては訛りや独特な言い回しが存在します。スペルが異なるといった大きな違いもあります。
英語を勉強するにあたってどこの英語を勉強するかがポイントになり、それによって留学先も異なります。本記事ではカナダ留学で学べるカナダ英語を中心に、それぞれの英語ごとに特徴や違いを紹介していきます。
英語は、大きく分けてカナダ英語・アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語の4種類に分けられます。それぞれの特徴は以下になります。
英語の生まれはアメリカのイメージを持っている方が多いはず。実は、英語はイギリスで誕生しているのです。単語ごとにはっきりと発音するのが特徴ではありますが、発音・言い回し・スペルはイギリス英語特有のポイントがあります。
英語の始まりは450年頃にイギリスのブリテン島とされています。ゲルマン系のアングル人・ジュート人・サクソン人の3部族が島に渡り、それぞれが使っていた言語が合わさってできたものが英語です。
イギリス英語を使う国は、イギリスのほかにアイルランド・ニュージーランド・シンガポールがあげられます。英語の始まりであるイギリス英語ですが、世界で使われている英語はアメリカ英語の方が多く普及しています。
アメリカ英語は、日本の学校で英語を習う際に使われるため、聞き馴染みのある印象を与えます。一番の特徴は、単語と単語を繋げて発音するliaison(リエゾン)です。例えば、going toをgonna、want toをwannaなどと短縮するため、話すスピードも速くなります。
アメリカ英語の始まりは17世紀のはじめである1600年代。イギリスからイギリス英語を話す移民がアメリカに移り住み、イギリス英語とアメリカ大陸に住んでいた人々の言葉が混じったことで、独自のアメリカ英語ができたと考えられています。
アメリカ英語を使う国は、アメリカのほかにフィリピン・メキシコ・プエルトリコなどがあげられます。
カナダ英語は、発音はアメリカ英語寄り・スペルはイギリス英語寄りなのが特徴です。なまりが少なくきれいな英語として知られており、海外留学先として人気になっている理由のひとつです。
1776~1793年の間イギリスの領土だったカナダに、アメリカ独立革命を逃れて亡命してきた人々が基盤になっていると言われています。そのため、カナダ英語の発音はアメリカ英語との差がほぼありません。
スペルはアメリカ英語と異なり、イギリス英語が混ざっています。その背景には教育環境が関わっていると考えられており、亡命してきた人々にイギリスの教育者がスペルや文法を教えるようになったようです。
オーストラリア英語はスラング(=俗語)が特徴で、「オージースラング」とも言われています。Helloの代わりにGood day(グッデイ)、Barbecue(バーベキュー)の代わりにBarbie(バービー)などと使います。
オーストラリア英語の発祥もイギリスが関係しています。18世紀(1701~1800年)にイギリスの植民地となっていたオーストラリアに、イギリス英語を話すアイルランド・イングランド・スコットランドなどの国々の人が移住してきました。
持ち込まれたイギリス英語に、オーストラリアの先住民であるアボリジニ特有の言葉が混じり、徐々に進化していった英語がオーストラリアだと言われています。
カナダ英語の特徴を、その他の英語と比較して詳しく解説します。
前述したように、カナダ英語の発音はアメリカ英語寄りです。アメリカ英語とほぼ発音が同じなので、学校の授業でアメリカ英語を学んでいる日本人にとっては聞き馴染みのある英語です。
しかし、発音がまったく同じでないのがカナダ英語。アメリカ英語と発音違いがあるのは「o」「z」、オーストラリ英語との違いは「ei」があげられます。
アメリカ英語では「ア」の口を大きく横に広げて発音する「o」ですが、カナダ英語では少し口をすぼめて発音するため「オ」に近い音なのが特徴です。
Aboutを例にあげると、アメリカ英語では「アバウト」と発音するところ、カナダ英語では「アブート」と発音してます。カタカナで表現するために大げさに言っている部分はありますが、これはイギリス英語寄りの発音です。hot・pot・notなど、基本的な単語でよく使われます。
「z」については、アメリカ英語とカナダ英語で発音に大きな差があります。アメリカ英語では「ズィー」と発音する「z」ですが、カナダ英語ではイギリス英語寄りで「ゼッド」と発音します。基本的にアメリカ英語に似ているカナダ英語ですが、例外もある実例です。
カナダ英語・イギリス英語・アメリカ英語ではそのまま「エイ」と発音する「ei」。オーストラリア英語では「アイ」と発音します。オーストラリア英語の場合、eightは「アイト」・sundayは「サンダイ」となります。
発音はアメリカ英語寄りのカナダ英語ですが、スペルはイギリス英語寄りです。日本の学校で学ぶのはアメリカ英語のため、学校で学んだスペルとは異なる単語があります。
特徴的なのは、アメリカ英語の単語で語尾が「~er」「~or」で終わるものです。イギリス英語では「~er」→「~re」・「~or」→「~our」と表記されます。
逆にイギリス英語と異なり、アメリカ英語のスペルを使う単語もあり、語尾が「~yze」「~ize」で終わる単語です。イギリス英語では「~yze」→「~yse」・「~ize」→「~ise」となりますが、カナダではアメリカ英語のスペルで使います。
さらに経済や政治が影響しているスペルもあり、タイヤという単語はアメリカとの取引が多い関係でイギリス英語の「tyre」ではなく、アメリカ英語の「tire」と使います。
英語の種類によってスペルが異なる単語の一部を、以下の表で分かりやすく紹介します。
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
中心・中心地 | centre | centre | center |
メートル | metre | metre | meter |
色 | colour | colour | color |
味 | flavour | flavour | flavor |
お気に入り | favourite | favourite | favorite |
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
認識する | realise | realize | realize |
麻痺する | pararyse | pararyze | paralyze |
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
タイヤ | tyre | tire | tire |
小切手 | cheque | cheque | check |
防御する | defence | defence | defense |
スペルの一部だけでなく、使うボキャブラリー自体が異なる言葉もあります。ボキャブラリーについては、イギリス英語と同じ言葉があればアメリカ英語と同じ言葉もあり、カナダ・イギリス・アメリカそれぞれの英語すべてで異なる言葉もあります。
こういった背景には、暮らしが関係していることなどがあげられます。トイレを例にあげると、カナダ英語では「washroom」といいます。これは「お手洗い」の直訳に違い言葉で、日本人も馴染めるボキャブラリーです。
アメリカ英語では、ユニットバスが多くトイレとシャワーが一緒になっているのが基本的なことから自宅のトイレは「bathroom」で通じます。また公共のトイレではシャワーと一緒になっていないため、「restroom」を使います。カナダも自宅がユニットバスが多いので、「bathroom」でも通じる場合はありますが、イギリスでは「お風呂場」を意味するため通じません。
イギリス英語では「public toilet」「toilet」などを使います。アメリカやカナダで「toilet」を使ってしまうと、「便器」という意味になるためトイレとしては通じません。
その他にボキャブラリーが異なる言葉は以下があげられます。
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
ナプキン | serviette | serviette | table napkin |
蛇口 | tap | tap | faucet |
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
地下鉄 | underground・tube | subway | subway |
ガソリン | petrol | gasoline | gasoline |
単語の意味 | イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
トイレ | public toilet | washroom | bathroom・restroom |
炭酸飲料 | fizzy | pop | soda |
イギリス英語やアメリカ英語では使わない、カナダ英語特有の表現があります。それが「 ~eh? 」という表現で、「~だよね?」「そうじゃないの?」と共感を求める意味があります。
私たちが習う英語に例えると「〜don’t you?」や「〜aren’t you?」と同じですが、これらもケースバイケース使うことがあります。
アメリカ英語では「〜right?」が主流で、カナダ人はこれもよく使います。「 ~eh? 」は、カナダ英語特有のくだけた言い方として認識しておきましょう。
カナダ英語について詳しく解説しましたが、海外留学先として人気を獲得している理由が分かりましたよね。「カナダ流留学でカナダ英語を学びたい!」と興味を持った方は、StudyInまでご相談ください。
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