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【ワーキングホリデー】扶養について徹底解説!扶養のまま出発できる?外れる必要はある?

対象年齢が18~30歳のワーキングホリデーは、親や親族の扶養に入っている方もいますよね。扶養に入っている人がワーホリへ行けるのか、扶養に入っている人がワーホリへ行く際の注意点などを詳しく解説します。必要な手続きも解説しているので、ぜひ参考にしてください。


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さて、今回はワーキングホリデーの扶養についてお話ししたいと思います。

ワーキングホリデーの基本情報

ワーキングホリデー、通称ワーホリは、青少年を対象に休暇を楽しむ目的で最長1~3年海外に滞在できます。ワーホリのために取得するワーホリビザでは、滞在中の生活費を補うための就労が許可されており、併せて就学も可能です。


ワーホリはどこの国でも利用できる制度ではなく、協定結んだ国間で可能です。日本は、2024年現在29ヶ国の国々と協定を結んでおり、国によって対象年齢や滞在・就学・就労可能期間が異なります。対象国である29ヶ国と、ワーホリでの条件は以下の通りです。

渡航できる国 対象年齢
(ビザ申請時)
滞在可能期間 就学可能期間 就労可能期間
オーストラリア 18~30歳 3年 4ヶ月 同一雇用主の下では6ヶ月まで
ニュージーランド 18~30歳 1年3ヶ月 6ヶ月 上限なし
カナダ 18~30歳 1年 6ヶ月 上限なし
韓国 18~30歳 1年 上限なし 上限なし
フランス 18~29歳 1年 上限なし 上限なし
ドイツ 18~30歳 1年 上限なし 上限なし
イギリス 18~30歳 2年 上限なし 上限なし
アイルランド 18~30歳 1年 明記なし 1週間で最大39時間まで
デンマーク 18~30歳 1年 明記なし 6ヶ月
台湾 18~30歳 360日 明記なし 明記なし
香港 18~30歳 1年 6ヶ月以内 同一雇用主の下では6ヶ月まで
ノルウェー 18~30歳 1年 3ヶ月未満 同一雇用主の下では6ヶ月未満
ポーランド 18~30歳 1年 上限なし 上限なし
ポルトガル 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
スロバキア 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
オーストリア 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
ハンガリー 18~30歳 ビザ発給から1年 明記なし 明記なし
スペイン 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
アルゼンチン 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
チェコ 18~30歳 ビザ発給から1年 明記なし 明記なし
チリ 18~30歳 2年 明記なし 明記なし
アイスランド 18~26歳 1年 明記なし 明記なし
リトアニア 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
スウェーデン 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
エストニア 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
オランダ 18~30歳 1年 明記なし 明記なしだが、年間で同一雇用主の下では働けない
ウルグアイ 18~30歳 1年 明記なし 明記なし
フィンランド 18~30歳 ビザ発給から1年 明記なし 明記なし
ラトビア 18~30歳 1年 明記なし 明記なし

ワーキングホリデーの扶養について

ワーキングホリデーは、18~30歳の方が対象となる制度です。学生も対象となるため親の扶養に入っている人や、ワーホリ前に会社を退職して親族の扶養に入っている人もいますよね。扶養に入ったままワーホリへ行けるのか、また親族を扶養している人はワーホリへ行けるのか、両方の目線で解説します。

そもそも扶養とは

扶養とは、経済的に自立できず生活ができない人を、主に生計を担っている親族が経済面でサポートすることを言います。扶養になる人には、年齢や病気・失業などさまざまな理由があります。ワーホリも扶養になる理由のひとつで、学生や仕事を退職した人が、親の扶養に入ったままワーホリへ行きたいと考えるケースもあります。


親族を扶養している人を「扶養者」、親族から援助を受けている人を「被扶養者」と呼びます。被扶養者は、扶養に入ることで本来支払うべき所得税や健康保険料が免除となります。


一方で扶養者は、親族を扶養にすると所得が控除され所得税が減税されます。これが「扶養控除」です。


また、被扶養者の収入が103万円を超えると扶養の対象ではなくなります。扶養から外れなければならず、超えた分の所得税は支払いの対象となあります。これがよく耳にする「103万円の壁」です。


では実際に、被扶養者がワーホリに行くことは可能なのでしょうか。詳しく解説します。

扶養者・被扶養者ともにワーホリへ行ける

ワーホリは、休暇を目的に海外へ滞在でき、現地での生活費を補うための就労が許可されています。援助を受けている被扶養者がワーホリへ行くと、現地で働いて収入を得られるため扶養から外れなければいけないと考える方もいますよね。


結論から述べると、扶養者も援助を受けている被扶養者も、ワーホリに行くことは可能です。


ワーホリでの就労は、「滞在中の生活費を補うため」のものです。実際に目的は「休暇を楽しむこと」とされています。就労を目的として渡航をしていないため、扶養の権利が喪失される対象とはなりません。

被扶養者をワーホリに同伴させられない

自身が親族を援助している扶養者の場合、被扶養者をワーホリに同行させることはできません。ワーホリに必要なワーキングホリデービザを取得する条件として、「配偶者や子供などの被扶養者を同伴させない人」とされています。扶養者自身がワーホリへ行くことは可能ですが、被扶養者を同行させることはできません。

海外での収入が103万円を超えると扶養から外れる

海外での収入は帰国後の日本で確定申告を行う必要があります。そのため海外での収入が103万円を超えた場合は、日本と同様に扶養の対象外となります。被扶養者の方は、現地での収入金額に注意してください。

扶養から外れてワーホリに行くとどうなる?

被扶養者が、もしワーホリ中の扶養を外れた場合、自身や援助をしてくれる扶養者にはどんな影響があるのでしょうか。詳しく解説します。

自分に税金がかかる

扶養に入っていることで、被扶養者は所得税・住民税・健康保険の保険料が免除や減額になります。そのため、ワーホリ前に扶養から抜けた場合、海外で得たお給料が103万円を超えれば所得税がかかりますし、収入に応じて住民税と健康保険料が増額となります。


海外での収入が103万円を超えない場合や、1月1日~12月31日まで海外に滞在する場合は健康保険を利用する可能性が低いため、ワーホリ中に扶養から外れてしまうのはデメリットが大きいと言えるでしょう。

扶養者の負担が増える

親族が扶養から外れた扶養者は、所得税・住民税の支払い金額が増額となります。被扶養者だけでなく、援助をしてくれていた扶養者も負担が増えるため、扶養者と相談して扶養から外れるかを検討する必要があります。

ワーホリの扶養に関する手続き

ワーホリ中に扶養へ入っておくメリットが多くあることが分かったところで、実際に扶養に入る条件や手続きを解説します。

ワーホリ前に扶養へ入る条件

扶養に入る細かい条件はさまざまですが、まずは以下の条件を満たさなければいけません。


納税者と生計が一である人

被扶養者と扶養者になる人は、生計が一である必要があります。「生計を一にする」とは、日常生活において生活費を共にしている状態です。


また、同居していない場合は、以下の状況であれば「生計を一にしている」と判断されます。

  • 生活費や学費などの仕送りが常に行われている
  • 学校や仕事以外の余暇は生活を共にしている

扶養者になる人は16歳以上かつ配偶者以外の親族

ワーホリの対象年齢内であれば被扶養者になる年齢に問題はありませんが、援助をする扶養者になれるのは16歳以上です。さらに、配偶者の扶養者とはなれないため、配偶者以外の親族である必要があります。配偶者の援助を受ける場合は、「配偶者控除」といった別の制度となります。


原則は「16歳以上配偶者以外かつ、6親等内の血族または3親等内の姻族」が扶養者となる条件です。


また、前項で「生計を一にしてれば同居していない場合も可」と述べましたが、扶養者との血縁関係次第で同居が条件となるケースがあります。

被扶養者がワーホリへ行く手続

扶養に入る条件を満たし、被扶養者がワーホリへ行く場合はいくつかの手続きが必要です。年末調整や確定申告の際に必要になる書類もあるため、不備のないようチェックしてください。


【滞在1年以上の場合】海外転出届

海外転出届とは、海外に1年以上滞在する予定の人が対象となる住民票を抜く手続きです。ワーホリに渡航する2週間前から出発前日までに、現在住んでいる最寄りの市町村役場に提出します。


住民票を抜くことで日本におらず海外に滞在している状態となり、日本にいると支払い義務が生じる年金や健康保険・税金などの支払い義務がなくなります。また、マイナンバーや健康保険証など返却が必要な書類もあります。


【帰国前の手続きに必要な書類】

  • 届出をする本人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 代理人が手続きをする場合の委任状
  • 代理人の本人確認書類のコピー

【返却をするために持参する書類】

  • マイナンバーカード
  • 印鑑登録証
  • 住民基本台帳カード
  • 国民健康保険被保険者証
  • 国民健康保険退職被保険者証


海外転出届は、帰国後に住民票を戻す手続きも必要です。帰国後に住む場所の市町村役場で、帰国から14日以内に手続きをしてください。


【帰国後の手続きに必要な書類】

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • パスポート
  • 本籍地に転入しない場合は戸籍謄本


海外に1年以上滞在予定の人が対象となる海外転出届ですが、書類を提出した人が1年未満に帰国したり、1年未満で帰国する人が書類を提出したりしても問題ありません。海外転出届については、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。


【滞在1年以上の場合】親族関係書類

親族関係書類は、被扶養者(国外居住親族)が海外に滞在していることを証明する書類です。必要書類を用意し、最寄りの市町村役場で手続きを行います。


【国外居住親族が日本人の場合】

  • 国または地方公共団体が発行した書類の原本|例…戸籍の附票の写し(原本)
  • 被扶養者の旅券コピー|パスポートのコピー


【国外居住親族が外国人の場合】

  • 外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類の原本|出生証明書または婚姻証明書(原本)

【滞在1年以上の場合】送金関係書類

送金関係書類は、海外に滞在する被扶養者(国外居住親族)に、納税者である扶養者が生活費や学費を支払っている証明です。被扶養者が1年以上海外に滞在している場合が対象です。


【必要書類】

  • 金融機関が行う為替取引で、国外居住親族へ支払をしたことを証明できる金融機関が発行した書類|例…外国送金依頼書(控えも可)
  • 国外居住親族がクレジットカードで商品を購入したとき、その代金に相当する額を納税者から受領したことを証明できるクレジットカード発行会社が発行した書類|例…クレジットカードの利用明細書(控えも可)

38万円送金書類

38万円送金書類は、上記の「送金関係書類」の一部で、国外に住む親族へ38万円以上送金した場合に必要な書類です。令和5年より、38万円以上の仕送りを受領している場合は、扶養控除の対象外とされるため、このような書類が必要となります。

帰国後の確定申告が必要な方

被扶養者の収入状況によっては、ワーホリから帰国した後に確定申告が必要となるケースがあります。


確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの所得を対象に、実際に支払った税金と源泉徴収された税金や納税予定額を比較して、税金の過不足を精算する手続きです。そのため、ワーホリ前に収入があった方・ワーホリ中に不動産収入やアフェリエイトなどで日本での収入があった方が、帰国後に確定申告を行う対象となります。


日本での所得がある方は、日本に滞在している・していないに関わらず所得税を支払う対象となります。しかし、ここで前述した「海外転出届」の手続きをしていると、住民票が抜かれているため課税対象外となる仕組みです。

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