最近英語の語学留学先として話題のフィリピンも、長期留学の選択肢のうちのひとつかもしれません。
でもネット上で聞くのは短期留学ばかり。1年間フィリピン長期留学ってどうなの?そう思う方へ。
はっきり言って費用と英語学習の効果の面から見てお勧めはしません。
1年間という限られた時間があるなら、その時間の中で最大限まで英語力を高めるためにはもっといい方法があるんです。
目次
アジアの発展途上国の一つであるフィリピン。公用語はタガログ語です。
しかし、アメリカに支配されていた歴史があるため、その時以来フィリピン人は英語教育に力を入れています。
その為英語教師のレベルはとても高く、中国、韓国、台湾などアジアの近隣の国から英語学習目的でフィリピンに留学する人がどんどん増えています。
フィリピンの語学学校は、学校が独自に寮や学食を提供してくれることが特徴の一つでもあります。
学費に寮費、食費までもが含まれているため、格安の留学先であるといわれています。
また、語学学校は主に日本人資本と韓国人資本の学校に分けることができます。それぞれの資本の違いについて少し見てみましょう。
日本人資本の学校では、日本の生活空間と同じくらいの環境づくりを目指し、ネット環境や寮のお部屋の整備が行われています。その為WIFIなどがつながらなくなることもまずありません。
それだけでなく学食も日本人好みの味付けにしている語学学校が多いので、初めての海外で心配なことも多いなか安心して留学生活を送りたいという多くの日本人の方が通っています。国籍比率でいうと多くて日本人が生徒数の8割ほどを占めています。
韓国人資本の学校では、スパルタと言われる1日10時間程度みっちり勉強するようなカリキュラムを持つ学校が多くなっています。
授業が多いだけでなく、平日は外出禁止などの校則がある学校もあるため、短期集中で資格試験対策を行いたいという方の多くが韓国人資本の語学学校を選んでいます。
また、語学学校についている学食なども韓国人好みの味付けが多いため、韓国国籍の生徒が大半を占めています。日本人資本の語学学校に比べ生徒の国籍にもばらつきがあるのでより国際的な環境で勉強することができます。
フィリピン語学学校で共通して言える特徴がマンツーマンレッスンがメインであるという点です。
英語圏の国での語学学校はグループレッスンがメインですが、大人数の中であまり積極的に発言できない方も多いようです。
それに対して1対1で英語を自ら話さなくてはいけない状況になるマンツーマンレッスンは、日本人にとって適している授業スタイルです。
また、コースの内容も多種多様に用意されているため、様々な目的を持っている人がフィリピン留学をします。
ワーキングホリデーで海外で働きたいけれども英語力が不安という方も、事前準備としてフィリピンに語学力アップ目的で留学する人も多いです。
あくまで目安ですが、1年間のフィリピン留学費用の相場は230万から300万であるといわれています。
実際に1年間の留学費用を見てみるとニュージーランドやカナダなどの英語圏への留学費用とあまり変わりません。
留学先として価格が安いと言われているフィリピン留学ですが、長期になればなるほどビザ等申請しなくてはいけないものが増えるため、6か月以上の長期留学は費用が高くなってしまいます。そのためお手頃な価格なのは1か月以下の短期留学の場合のみであるといえます。
つぎに出発前に支払う料金と滞在中に支払う料金に分けて各項目について詳しく見ていきましょう。
出発前に支払う料金は基本円建てでのお支払いになります。
以上の値段は目安のため、語学学校によっても、選ぶ航空会社によっても費用に多少の差は生じてきますのでご注意ください!
1年間留学する場合のみ、発生する料金。それが「捨てチケット」代です。
フィリピンに入国する際には必ず帰国便のチケットを持っている必要があります。しかし、飛行機のチケットは1年先までの日程分しか購入できないため、出発前に帰国する際のチケットを購入することができません。
そのため、留学出発時に購入された帰国便のチケットは実質使用することが出来ずに終わってしまうことになるのです。
帰国の便としてお隣のベトナムなど近い国への航空券を購入することで多少の費用を抑えることも可能ですが、やはり少し無駄遣いになってしてしまいます。
滞在中に支払う料金は基本的にはペソ建てになります。出発前に現金の準備を忘れないようにしましょう。
半年以上の滞在をするために新たに申請が必要になってくるのが以下の三点。sspに関しては有効期限が6か月であるために、もう一度再申請する必要が出てきてしまいます。
半年以上の滞在で提出する書類は一気に増えるため、最もコスパが良いのはビザの申請の必要もない1か月までの留学です。長期になればなるほどコスパは悪くなっていくといえます。
お小遣い(生活費、食費)に関して、目安では1か月4万円で計算しましたが、生活費は個人の授業外での過ごし方によって大きく異なります。
また、滞在する場所によっても、都市部のセブ周辺に留学したら、ショッピングモールなど誘惑がたくさんあるのでどうしても出費が多くなってしまう、逆にバギオなどの中心地から遠いところに留学すると、出費が少なめで抑えられるという傾向があります。
実は効果的な英語学習をするためには1年間フィリピンへ留学することはベストなチョイスではないのです!
最初の数か月フィリピンで日常会話まではできるようになっても、そのままフィリピンのようなネイティブスピーカーのいない環境で勉強していると英語力が伸び悩んでしまう恐れがあるからです。
学習方法と学習効果をみながらその理由を説明していきたいと思います。
最近話題になっている第二言語習得に基づいた英語の学習方法を見てみましょう。それによると大きく分けて インプット(気づき×理解×内在化×統合)とアウトプット の二つに分けることができます。
インプットの部分は上記の4ステップを繰り返しながら、だんだんと知識量を増やしていき、その後のアウトプットへ持っていくというような流れです。
インプットでは英語「を」学ぶ。アウトプットでは英語「で」学ぶというに考えるとわかりやすいかと思います。
フィリピン留学はこの図で見たとき、インプットの部分であると考えられます。
しかし、ここから問題になるのが次のステップ。アウトプットの部分です。アウトプットでは日常の中でネイティブスピーカーとより多くコミュニケーションをとることが必要とされています。
残念ながら、フィリピン人はネイティブスピーカーではありません。そのため、フィリピンはアウトプットをするために最適な環境であるとは言えません。
初心者の方とは、出発前のTOEICのスコアが300点から400点の方を指しています。
アメリカ国務省では日本人が英語を習得するまでに必要な時間は720時間と言われています。
初級の方はスパルタ校に行って1日10時間勉強すれば予習復習も足すと1日12時間、週5日で3か月、合計でぴったり720時間の勉強時間を確保することができます。
つまり3か月で日常会話は当たり前のようにできるようになるということです。
少し難しい内容の英語を理解できるようになるまでスピーキング力を伸ばしたいという方でも6か月の留学をすれば十分に英語力を高めることができ、TOEICでいうと800点ほどのスコアを取得することができるようになります。
さらに発展的な内容を身につけたいという方はアウトプットためにフィリピンを離れ、英語圏の国に留学することが最も効果的であると考えられます。
中級者の方とは出発前にTOEICのスコアが600点前後の方のことを指します。
このくらいのスコアの方はもともとの文法的な知識などがあるため、学習方法の「気づき」、そして「理解」の部分はほぼ終わっているということになります。
後は英語を使う練習をすれば初心者の方よりも短い期間でスピーキング力をあげることができます。中級者の方であれば3か月留学すれば現地の大学や大学院への進学の準備ができるほどの英語力になります。
語学留学の目標はあくまで、文法・単語などの基礎知識を蓄えスピーキング力を上げることです。
英語中級者の方の多くが半年までにこの目標を達成し語学留学を終えます。その後残りの半年は多くの方が大学の語学留学やインターンシップ、ワーキングホリデーを始めています。
留学期間別の効果についてもっと詳しく知りたい方はコチラの記事をチェックしてみてください。
1年間という時間を英語学習のために最大限有効活用すると考えたとき、1年間フィリピン留学をすることはお勧めできません。
フィリピンはあくまで英語「を」学ぶ場所。インプットの場所です。英語力がある程度着いたところでその場にとどまってていても伸び悩んでしまうばかりです。
次はその学んだ英語「で」他のことを学ぶことが最も効率的なのです。
それを実現するためにも、英語で学ぶ場所、アウトプットの場所。つまり英語圏の国に留学して、実践の場を設けるのが理想的であるといえます。
留学のプランを考える前に英語力を身に着けた自分がそれからなにをしたいと思うか考えてみましょう。
今回は代表的な3つのプランを紹介していきます。
今、趣味として真剣にやっていることがある人は、フィリピンでの語学留学後に海外で好きなことを学べる専門留学をすることをお勧めします。
英語「で」自分の好きなことについて学べるので英語力が上がるのはもちろん、ものによっては資格等をとれるコースもあるため一石二鳥です。実際の専門留学の内容としては、ヨガ留学やダンス留学が最近人気になってきています。
受講の際にIELTSなどのスコア条件が設けられているコースが多いですが、フィリピンでの語学留学時点で資格対策コースを受ければ心配せずに留学することができます。
フィリピンではまず英語を話すことに慣れることまでを目標として、そこからさらに英語力を高めたい方は、英語圏の別の国で語学留学をすることをおすすめします。
フィリピン留学でマンツーマンレッスンのおかげでスピーキング力がかなり伸びたとしても、そこからさらに英語力を発展させるためにはネイティブスピーカーと、彼らに近いスピードで様々な表現を交えながら会話をする習慣を作ることが必要となってくるからです。
フィリピンではネイティブレベルの英語力を持っている講師はたくさんいますが、一歩街に出てみると英語が通じないこともまれにあります。
フィリピン留学でついた自信があれば英語圏の語学学校でのグループレッスンも怖くありません。積極的に発言することで、よりネイティブの先生方とコミュニケーションをとることができ、英語力アップにつながります。
1年間行きたいけれどそこまでお金に余裕がないという方にはフィリピンでの語学留学後にワーキングホリデーに行くことをお勧めします。
英語「で」働くことで、接客の時のみ使用する英語など実践的な英語を学ぶことができます。
また、国によっては学生ビザでも週20時間以内なら労働許可が下りる場合があり、まだ語学学校に通いたいという方も通学しながら土日のみ働くなどといったこともできます。
フィリピンでの半年間語学学校のコースにワーキングホリデー準備コースなどを受講しておけば履歴書の書き方などから教えてくれるので2か国目の国で仕事探しの際にスムーズに行うことができます。
フィリピン留学で最も効率的にするためには6か月(半年間)留学をして、その後は自分のプランに合わせて2か国目の国へ留学またはワーキングホリデーをしましょう。
英語をしっかりと学んだところで、次は英語で学ぶ。このようなステップを踏むことで語学学習法で挙げられているように効率的に、かつ確実に英語力を上げることができます。
好きなことをしたいのか、勉強したいのか、働いてみたいのか、ご自分の軸に合わせて2か国語留学も考えてみましょう!
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