ワーホリで日本を長期間離れる際に注目しなければいけないのが住民税です。現在住んでいる地域に納めている住民税ですが、「日本に住んでいないのであれば支払う必要はあるのか」と疑問に思う人もいますよね。免除されるのか、必要な手続きはあるのか、本記事では、ワーホリ中の住民税について詳しく解説します。ワーホリを控えている方はぜひ参考にしてください。
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さて、今回はワーキングホリデー中の住民税についてお話ししたいと思います。
ワーキングホリデーとは、1980年に日本とオーストラリア間で始まった協定で、観光・就学・就労が許可された留学方法です。人気の留学方法ですが、すべての国でワーキングホリデーが利用できるわけではありません。日本と協定を結んだ国のみと限られており、現在日本は以下29ヶ国もの国々と協定を結んでいます。
国によって滞在可能期間だけでなく就学可能期間・就労可能期間が異なるので、国選びの前にあらかじめチェックしておきましょう。
渡航できる国 | 対象年齢 (ビザ申請時) |
滞在できる期間 | 就学できる期間 | 就労できる期間 |
オーストラリア | 18~30歳 | 3年 | 4ヶ月 | 同一雇用主の下では6ヶ月まで |
ニュージーランド | 18~30歳 | 1年3ヶ月 | 6ヶ月 | 上限なし |
カナダ | 18~30歳 | 1年 | 6ヶ月 | 上限なし |
韓国 | 18~30歳 | 1年 | 上限なし | 上限なし |
フランス | 18~29歳 | 1年 | 上限なし | 上限なし |
ドイツ | 18~30歳 | 1年 | 上限なし | 上限なし |
イギリス | 18~30歳 | 2年 | 上限なし | 上限なし |
アイルランド | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 1週間で最大39時間まで |
デンマーク | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 6ヶ月 |
台湾 | 18~30歳 | 360日 | 明記なし | 明記なし |
香港 | 18~30歳 | 1年 | 6ヶ月以内 | 同一雇用主の下では6ヶ月まで |
ノルウェー | 18~30歳 | 1年 | 3ヶ月未満 | 同一雇用主の下では6ヶ月未満 |
ポーランド | 18~30歳 | 1年 | 上限なし | 上限なし |
ポルトガル | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
スロバキア | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
オーストリア | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
ハンガリー | 18~30歳 | ビザ発給から1年 | 明記なし | 明記なし |
スペイン | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
アルゼンチン | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
チェコ | 18~30歳 | ビザ発給から1年 | 明記なし | 明記なし |
チリ | 18~30歳 | 2年 | 明記なし | 明記なし |
アイスランド | 18~26歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
リトアニア | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
スウェーデン | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
エストニア | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
オランダ | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なしだが、年間で同一雇用主の下では働けない |
ウルグアイ | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
フィンランド | 18~30歳 | ビザ発給から1年 | 明記なし | 明記なし |
ラトビア | 18~30歳 | 1年 | 明記なし | 明記なし |
上記の国に1〜3年を上限に渡航できますが、ワーホリには年齢制限があるのも特徴です。大半の国の年齢制限は18〜30歳までで、日本国籍を持った人が条件のひとつです、ワーホリビザを使ってひとつの国に渡航できるのは1回までですが、違う国であれば国籍や年齢などの条件を満たしていればビザを取得して渡航できます。
そもそも住民税とは、どういった税金でどういった人が支払い対象となっているのでしょうか。日本に住んでいると当たり前に支払いをしている税金ではあるものの、詳しく説明できる人は少ないはず。ワーホリ中の住民税について解説する前に、まずは住民税とはどういうものか基礎知識を身に付けておきましょう。
住民税とは地方税のひとつで、都道府県や市町村から提供されている行政サービスをまかなうために徴収されている税金です。
私たちが受けてきた教育や生活に欠かせない下水道やごみ処理、たくさんの人が必要としている救急救命・消防・福祉などは、多くが都道府県や市町村から提供されている行政サービスです。その地域で提供される行政サービスの負担を住民で分かち合い、広く負担するために納める税金を地方税といいます。「地域社会の会費」として認識しておくと分かりやすいでしょう。
地方税の中には「個人住民税」と「法人住民税」があり、これらが通称「住民税」として知られています。我々個人が担う住民税は「個人住民税」です
住民税の仕組みとして、毎年1月1日に住民登録があり、住民票がある地域に納めるのが基本です。昨年の所得が一定以上の人に支払い義務が発生し、支払い金額は所得に応じて変動します。所得が一定以下の人や、生活保護を受けている人には納税義務はありません。
住民税は、厳密には都道府県に納める「都道府県民税」と市町村に納める「市町村民税」にわかれます。支払いは合算して納税後に分配されるため、「住民税」としてひとくくりに説明されることが多いです。
解説したように、住民税は「1月1日に住民登録がある人」「昨年の所得が一定以上ある人」に支払い義務が発生します。そのため結論から述べると、ワーホリで日本を離れていても上記に当てはまる人は住民税は免除されません。
しかし、1年以上海外へ滞在する場合は、役所へ「海外転出届」を提出する手続きがあります。海外提出届についてはのちほど詳しく解説しますが、簡単に説明をすると「住民票を抜く手続き」です。
1年以上海外で滞在=1月1日を跨くこととなり、海外転出届で住民票を抜くことで、海外にいる間の住民税は対象外の扱いになります。よって、住民税は0円になる可能性があります。ただし帰国後~12月までに一定額以上の所得があれば、通常通り翌年の課税対象となります。
上記を含めると、住民税の支払い対象外となる人はごく一部だと言えます。基本的に、ワーホリに行っていても住民税の支払い義務があると認識しておくといいでしょう。
住民税が免除される可能性がある「海外転出届」について、詳しく解説します。
海外転出届は、役所で行う住民票を抜く手続きです。日本を1年以上離れる場合に提出する届出で、対象は「日本で住民登録をしている方」です。国籍は関係ないので、日本で住民登録をしていれば、外国国籍の方も対象となります。
住民票を抜くことで、住民税の支払い対象から外れるだけでなく、健康保険への加入義務および保険料の支払い義務もなくなります。さらに国民年金についても支払いは義務ではなくなり、希望者は任意での支払いが可能です。
ワーホリの対象国一覧で紹介したように、ほとんどの国の滞在可能期間が1年となっています。そのため、海外転出届を提出しなくてもいい場合のほうが多いです。しかし、海外転出届を提出しないと必然的に住民税・健康保険・国民年金の支払い義務が発生します。もし、1年未満の滞在であっても支払い義務から外れたい場合は、届出を提出しておけば住民票から除票できます。海外での滞在が1年未満で除票したい場合は、お住まいの自治体に相談してください。
1年以上海外に滞在する人が提出する対象となっている海外転出届ですが、もし該当者が提出しなくても罰則はありません。 海外転出届を提出するメリットとデメリットを比較して検討してください。
海外転出届を提出するメリットは、義務となっているさまざまな支払いをしなくてよくなる点です。
解説したように、海外転出届を提出して住民票を抜くことで、住民税・国民健康保険・国民年金の支払い義務がなくなります。 届け出をしない場合、前年に仕事をしていた人であれば国民健康保険料は毎月10,000万円以上支払うことになりますし、令和6年時点の国民年金保険料は毎月16,980円かかります。さらに住民税も課された金額を1年以上支払わなければいけません。
日本に滞在していないにも関わらず、これほどの金額を負担は大きいと言えるでしょう。それらが免除(住民税に関しては前年分の支払い義務あり)されるので、とても大きなメリットです。
海外転出届を提出した場合のデメリットはいくつかあげられます。
まずは健康保険のデメリットです。海外提出届を提出すると住民票が除票になるので、健康保険が未加入となります。健康保険には、海外で医療を受けたときにも保険が受けられる「海外療養費制度」がありますが、健康保険が未加入の方は対象外です。日本での医療よりも補償が手厚くはないものの、まったく補償がないよりは安心と考える人もいるでしょう。
また、万が一ワーホリ中に日本へ一時帰国することがあれば、日本での医療費が10割負担のなることもデメリットのひとつです。
さらに、海外滞在期間に国民年金の支払いをしないと満額支払っている人に比べて将来受け取れる年金の金額が減額されてしまいます。
その他にも、以下のデメリットが当てはまる可能性があります。
上記については当てはまる人は少ないものの、退職してワーホリに行く方やワーホリ用にクレジットカードを作りたい方は注意しておきましょう。
海外転出届は、日本を出発する2週間前から当日までに、現在住んでいる最寄りの市町村役場で手続きを行います。本人が手続きをできるのはもちろん、本人以外にも世帯主・同一世帯の方でも手続きが可能です。
ワーホリの対象年齢は18歳以上のため問題ありませんが、本人が15歳未満の場合は親権者が手続きをする必要があります。
もし上記以外の人が手続きをする場合は、委任状が必要となります。
また、海外転出届の手続きには、以下の書類が必要です。
海外提出届を提出することで、以下の書類を返却する必要があります。持ってる種類がある方は忘れずに持参してください。
マイナンバーについては、一旦返却するものの帰国後はまた同じマイナンバーを使用します。マイナンバー自体は変わらないので、海外提出届を手続きすることでマイナンバー自体がなくなるわけではありません。
ワーホリから帰国したら、除票した住民票を戻す手続きが必要です。帰国後、14日以内に日本で住む住所の市町村役場で転入の手続きを行ってください。
本記事では一般的な情報として紹介しましたが、役所での手続きを文字で理解するのは難しいと感じる方も多いですよね。より詳しい情報や説明は、留学エージェント・StudyInのワーホリ説明会でご案内したします。
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最後に、私たちStudyInは、皆さんが留学という大きな一歩を踏み出すお手伝いをしたいと心から思っています。不安や疑問がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。どんな小さなことでも、あなたの夢を叶えるために真摯にサポートいたします。
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